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嘘つきのヒーロー

第29章 恋のはなし


ちょっと心操に似てる…
私は二人に動揺がバレないように目をそらした。


「えっと、これとこれ、あとこれお願いします」

そう注文をして店員さんが去るとなんだかほっとした。



心操…そう言えば全然話してないや。

ぼんやりと心操の事を思い出す。


怪我をした手はもう治ったのかな。

あの女の子って結局何だったんだろ。

助けに来てくれた心操…かっこよかったな。



そんなことを考えていると突然名前を呼ばれた。


「叶ちゃん大丈夫?話聞いてる?」

「あっ、えっごめん何の話だっけ」

私がそう言うとお茶子ちゃんは口を尖らせて言った。


「もーさっきからずっとぼーっとしてる、上鳴くんに叶ちゃんが告白されたって話だよ」

「あっああ、そっか、その話ね」


そう言えば少し前に上鳴に告白されたっけ…


「結局その後どうなったの?」

「どうって…友達だよ」

私がそう言うと二人はやれやれというような顔をした。


「ダメよお茶子ちゃん、叶ちゃんかなり鈍感なんだわ」

梅雨ちゃんにそう言われ、なんだかムッとしてしまう。


「な、なによ二人とも、ほんとのことだもん」

そう言うとお茶子ちゃんはニヤッと笑った。



「ねえねえじゃあ相澤先生はどうなん?!よく二人で話してるの見るけど」

「それ私も気になってたわ」

「え、相澤先生…?…ないない」


相澤先生は確かに私のこと気にかけてくれるけど、そういう恋愛的な何かではない気がする。

「相澤先生には心配かけまくってるから…それでちょっと気にされてるだけだと思うよ」


私がそう言っても二人は納得していないようだった。
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