第37章 涙もろい教師
「でも楽しみだよなー結婚式」
「…そうか?」
「え、お前楽しみじゃねえの?教え子二人が結婚するのに?!」
「うるせえな…」
そう言ってはがきを見るとそれぞれの字が目に留まった。
それを見てふたりの顔が思い浮かぶ
心操も、幻想も、あの二人はとても責任感が強くて努力家だった。
在学中からよく似た二人だと思っていた。
心操は自分と周りとの差に焦ってしまっていたし
幻想は自分の個性と過去に劣等感を抱いていた。
そんなあいつらも今では多くの人を救うヒーローになって
お互いの欠点を補い合っている。
あいつらはお互いを信頼しあった、
いいヒーローになった。
「だって…泣くかもしんねえだろ」
俺はそう呟いて招待状に参加のサインをした。
噓つきのヒーロー END