第2章 対敵(ヴィラン)訓練
「え……、ありがとう」
そう言うと上鳴は照れ笑いをして「おう」と言った。
記憶を改ざんする個性か…
目を見なければ発動しない。
その代わりあいつの行動や位置も確認できない。
隙を突かれれば…負けるかもしれない。
「…やっかいだな…」
俺は計画を練りながら俺はスタート地点に向かった。
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開始の合図が鳴る。
お互いの位置が分からない場所からのスタート
あいつはやっぱりこっちに向ってくるだろうな
「取り敢えず…目を見ないように…、俺は口を開かせるか捕縛布で捕まえるかすれば勝てる…最悪目を閉じてでも戦える」
そう計画を練り、異様な静けさに気付く。
やっぱり、真っ向勝負とはいかないよな。
どこから来るのか分からない状況に俺は緊張していた。
考えれば考えるほど、幻想の個性は強い。
俺の個性は会話をしなければ発動できない。
それに対して幻想は目を合わせるだけで発動できる。
個性だけなら相澤先生にタイプが似ているな…
でも相手の姿を視認するんじゃなくて、目を合わせなきゃいけないっていうのがネックか。
「心操!」
そう呼ばれ振り向くと幻想の姿があった。
………いつの間に?!
視線が幻想の顔に移る前にはっと目線を足元に戻す。
だめだ、顔は見ちゃいけない。
「…やっぱ、目は見てくれないか」
先程の呼び声とは一転、呟くように幻想は言った。
幻想と距離を取り、俺も自身の個性を使おうと話しかける。
「幻想!どっから来たんだよ!」
できる限り自然に、話しかけるように声をかけるが幻想は答えない
俺対策してるってわけね…
どうする。
どうやってこいつの口を開かせる?
そう考えている間にも、幻想は俺の周りを軽やかに移動し
俺の捕縛布で捕まらないように位置情報を錯乱させる。
ただでさえ顔が見れないから捕まえにくい…
幻想の戦闘スタイルは個性の使用のほかにナイフや刃物を使っている。
動きが読めない分まともに食らうとあぶねえな…流石に訓練で刺してくることはないだろうけど…