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嘘つきのヒーロー

第2章 対敵(ヴィラン)訓練


【心操人使side】

…対敵(ヴィラン)訓練

一対一でお互いを敵に見立て、どちらかが確保テープを巻きつければ勝ち。
そう先生に授業説明をされ、身が引き締まった。



早速自分の能力が試されるってことだ。



A組の生徒の能力はだいたい把握済みだ、
だけどどうすれば勝てる、どうすれば捕まらない?

どうすれば口を開かせることができるんだ。
俺の個性はみんなに知られてんだ。


一対一なんて俺にとって“一番”不利じゃないか。



そう悶々と考えていると対戦相手の発表がされた。



「心操対………幻想」



それを聞き思わず幻想の姿を探す。


そうして姿を見つけ、まじまじと見ていると目が合った。
幻想の顔はいまいち何を考えているのか読めない。

何秒か無言で見つめあっていると幻想が口を開いた。



「心操…くん?…よろしく」

「呼び捨てでいいよ、俺は…幻想さん?」

そう言うと幻想は微かに笑い

「私も呼び捨てでいいよ、じゃあよろしく」

そう言って準備をしに行ってしまった。




一応話してはくれるんだな。もっと不愛想な人かと思ってた。
そういえばあいつの個性ってなんだっけ…

確か…





「記憶を改ざんする個性……死ぬほど強いよなあ」

頭のすぐ後ろでそう聞こえ、振り向くと上鳴と峰田がいた。



「なあなあ心操、あいつってこういう戦闘すげえ強いんだよ」

「だよなあ、お前ほんと気をつけろよ……」

二人はそう言って恐ろしいものでも見たような顔をする。



「記憶を改ざん?記憶を消すんじゃなくて?」

普通科のやつらは記憶を消されるとかなんとか言っていた。



「記憶を消すっていうほどの威力は流石にないよなー、まあ記憶の変えようによりゃあ近い状態にはできるみたいだけど」

俺の質問に上鳴は丁寧に答えてくれた。



「そうなんだ、…じゃあ発動条件と解除条件は…?」


俺がそう聞くと峰田はにやりと笑って「モテるやつには教えねえよ~」とどこかへ行ってしまった。


その言葉の意味が分からずに唖然としていると




「…発動条件は目を合わせることで、解除条件は幻想が自分で解除するか本人が記憶の矛盾点に気付くことらしい。ちなみに個性使われるときは一瞬記憶飛ぶ」


そう上鳴が答えてくれた。
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