第33章 彼女を好きな人
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病室に取り残された俺は相澤先生のお説教に覚悟を決めていた。
しかし、相澤先生の口から出たのは意外な言葉だった。
「よくやったな」
「…え?」
思わず相澤先生の顔を見ると
「警察と被害者の会からお前に感謝状が来てる、あいつらが捕まったおかげで他の事件も明らかになった。」
そう淡々と話した。
俺はその言葉にほっとしていると唐突に頭を叩かれた。
「えッいた!」
「ここからは教師としての説教だ」
そう言われ相澤先生の顔を見るととても怒っていた。
「あの状況なら尾行だけして誰かに連絡するだけでも良かったんだ、それなのにお前は……捕縛布もペルソナコードも持っていない状態で戦って、不合理の極みだよ」
そう言われあの時の事を思い出した。
確かにそうだ、結局ボコボコにされて
幻想が来ていなかったら死んでいたかもしれない。
そう思うと悔しくて体に力が入っていく。
「だから同じことはもうするな」
そう言うと相澤先生は俺の頭を撫でた。
突然のことに驚いて相澤先生の顔を見ると、真剣な顔をしていた。
その顔を見てとても心配させてしまったんだと理解した。
「はい…すみませんでした」
頭を下げる俺を見て相澤先生は軽くため息をつく
「…ったく、なんで俺のクラスは問題児ばかりなんだ」
それを見て何も言えなかった。
沈黙しているとふとあることを思い出した。
「あの…相澤先生は幻想の親戚か何かなんですか?」
俺がそう聞くと相澤先生は目を見開いて驚いていた。
「あっ…なんていうか、先生幻想についてすごく詳しいし、事件の事も知ってたし、あいつのことになると凄く必死になっているような気がしたので」
そう言うと相澤先生は「いや、」と動揺しているようだった。
それを見て俺の中に嫌なものが湧いてくる
親戚じゃないのか、
じゃあどうして相澤先生はあんなに幻想に構うのだろう。
学校内でもよく二人で話しているのを見かける
先生は幻想の事をどう思っているのだろう