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嘘つきのヒーロー

第33章 彼女を好きな人


【心操人使side】

ケーキを二人で食べている中、ふと幻想の顔を見る。
夢中で幸せそうに口を動かす姿は小動物みたいで何だかかわいかった。


俺より先にケーキを食べ終えた幻想は、ひと息つくと話し始める。


「そう言えば相澤先生すごい怒ってたよ」

「うわ、…だよなあ」

「私たちあの人に心配しかかけてないよね」

「立派に問題児だな」


そう言って二人で顔を見合わせると何だか笑えてしまう。


「今日は学校休みだから、あとで来ると思うよ」

「…説教コース確定だな」

俺が憂鬱そうな顔をすると幻想はけらけらと笑った。




それから沢山くだらない話をしてしばらくすると
病室のドアがノックされた。



「お、幻想も来てたのか」

そう言って入ってきたのは相澤先生。
片手にはコンビニの袋が下げられていた。


「さっきあっちで色々話聞いてきた、これ水とかあるから適当に飲め」

渡されたビニール袋を覗くとスポーツ飲料や菓子などが入っていた。

「…ありがとうございます」

俺がそう言うと幻想が俺に言う


「わたしそろそろ帰るから、また学校でね」

「え…いきなりだね」

俺が驚いていると幻想は相澤先生の顔を見た。


「私はもう十分怒られたから」

「おい、反省しろ」

「いてっ」

幻想が笑うと相澤先生に頭を叩かれていた。

幻想が病室を後にしようとすると相澤先生は言う。


「幻想、お前も安静にするように言われてるんだろ、ちゃんとケアしろよ」

「あ…はい、わかりました」


そう話して幻想は俺に手を振って帰ってしまった
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