• テキストサイズ

ぬらりひょんの孫〜鯉伴、もう一人の子供〜

第3章 出会い




「このまま私が江戸に留まれば…再び陰陽師は私を追ってくるでしょう…。
その度に鯉伴様にご迷惑をお掛けする訳には行きません。
なので…」

水木がそう言おうとした時だった

それは突然の出来事だった

水木の口を鯉伴が塞いだ

現代で言うキスというものに値する

「…っ…え…」

みるみるうちに水木の顔が赤くなっていく

鯉伴はその顔を見ながら笑っていた

「雪麗さんに全部聞いたんだよ…水木がオレのために出掛けてるって」

「…せ、雪麗さんの裏切り者…」

「それに、最初はお前さんのことを怪しんでたが…今では怪しむどころか、組のヤツらもお前なしではやって行けねぇとよ。」

鯉伴がそう言うと次は水木の目にみるみるうちに涙が溜まっていく

「…え…あ…」

「なあ水木、お前さんオレと夫婦になる気はあるかい?」

「…!!な…あの…え…」

水木の戸惑う様子を見て更に鯉伴が笑う

「オレがお前さんの事、命尽きるまで…護ってやるよ」

「!!!…っ…ふつつか者…ですが…よろしく……お願い…致します」

そう言いながら水木はボロボロと泣いていた











それから数年後…

新しい家族が奴良家には増えていた

名を奴良サクラと言う

「サクラ」

鯉伴がサクラを呼んだ

『なーに、お父さん』

5歳になったサクラはそれはそれは組の者達に可愛がられていた

もちろん、鯉伴も例外ではない

「今日の散歩はどこへ行きたい?」

サクラは毎日必ず鯉伴と共に二時間ほど散歩をしていた

『うーん…綺麗な所がいいなあ』

サクラは景色が綺麗な所がお気に入りのようで、毎日鯉伴にお気に入りの場所に連れて行ってもらっていた

「サクラ!」

『お母さん!』

廊下を歩いてくる水木を見てサクラが走って行く

その時だった

着物を裾を踏み、サクラが転んだ

「「サクラ!」」

鯉伴と水木が同時に駆け寄る

『…あはは、頭ごっちんしちゃった…』

サクラの目には大粒の涙が溜まっていた

「痛かったね…大丈夫?」

水木がサクラを抱っこする

『大丈夫。』

水木がサクラを抱っこしてから数分後…

スースーと規則的な寝息が聞こえ始めた

「あら、寝ちゃった」


/ 108ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp