第12章 土蜘蛛
牛車が消え、二人が空から落ちてくる
「ひえっ!!」
ゆらが悲鳴をあげていた
「おおい」
「チッ」
リクオと竜二が同時に動き出す
「リクオ様♪」
氷麗は変化しながら下りてくる辺り、余裕そうだ
ゆっくりと着地する
「大丈夫か」
「遠野を出られたのですね!お体を案じておりました!
きっといらっしゃると信じておりましたよ。」
「…つらら」
氷麗とリクオの雰囲気に耐えられず、首無が氷麗を呼んだ
「あ!あの、清十字団の方は大丈夫です!!ずっと青田坊が見守ってますから」
青田坊、留守番させられたのね…
「なーなー、おいリクオー。
もしかしてよー、そいつが助けたいっつってた超絶美人の友達ってやつかい?」
淡島がそう尋ねた
「いや、あっちだ」
リクオが指差したのはゆら
そちらを見ると竜二にお姫様抱っこされたゆらがいた
「ホンマに来たんや…奴良くん…」
ゆらがそう言った時だった
グシャアア
竜二がゆらを投げ、鳥居が破壊された
陰陽師が神社破壊してるよ
「ギャアア何やー!!」
「重い」
「アレが…」
遠野勢が不思議そうな顔をしていた
「投げることあらへんやろクソバカ兄イイイ」
「お前最近言葉遣いキタナイぞ!!」
『仲のいい兄妹ね』
「おもろい子らや」
「あんた…秀元っつったな。じじいの知り合いなんだな。
オレ達の因縁のこと…知ってんなら教えてくれ。
オレは…その因縁を断ちに来たんだ!」
「秀元?十三代目秀元…ハッ
そ…そーだ!!"四百年前"一緒に羽衣狐倒した天才陰陽師じゃねーかぁ!!」
納豆小僧が叫んだ
「思い出したぞ!!らせんの封印…京から妖を追い出す為に"地脈"を結んで作られたってぇ〜最強の結界。
妖怪が京に入るにゃー、一つ一つ順に封印を解いてかにゃーいけねぇって総大将言ってたぜ!?」
再び納豆小僧が叫ぶ
「そう…ボクの作った最強の結界。
もう破られたけどな。」
京には重大な地脈がらせん状にめぐってて、地脈は気の流れとなる血管のようなもの
そのうちの一つ、京の都千年の怨念が通う道…
京妖怪を排除するために通り道を塞がないといけなかった
それが、らせんの封印って天海が言ってたなぁ