第9章 陰陽師の女の子
「"二度とうちには来んじゃねぇ、来ても飯は食わさん…!!"
以上、その刀…大事にしろよ。」
「なんだあいつ…えっらそーに」
「かこまれてんのはオメーらだっつーの」
「…"狂言"、今日はもうやめだ。」
ゆらの兄がそう言うと水がゆらの兄の持つ竹筒に入っていく
「な…なんじゃあああ〜」
二人はそのまま去っていく
「なんだあいつら…」
「だましのプロだよ。
氷麗、そいつを本家に連れ帰って手当してやれ」
「私が…陰陽師の娘を…!?」
オレ達は本家に戻った
サクラside
……陰陽術、使っちゃったー…
使わないようにしてたのに…
なんて言い訳しよう…
って考えてたらいつの間にかみんなが帰り始めていた
『リクオ、大丈夫?』
私は先頭を歩くリクオの横に付く
「おう。ありがとうな、姉貴」
『全然、来るのが遅くなってごめん』
「気にすんな、予想外だったんだしな」
リクオはフッと笑った
『そうね。』
本家に戻り、氷麗が陰陽師の女の子の治療をする
バタバタと暴れ回る音が屋敷中に響き渡っていた
⋯仕方ない、治してあげるか
『氷麗、変わるわ』
「!サクラ様⋯よろしいのですか?」
『いいわよ。さ、えっと⋯名前なんだっけ』
「花開院ゆらや!」
陰陽師の女の子は気が強そうだった
『そう、ゆらね。覚えたわ』
「なんやの突然⋯」
私はゆらに手をかざし治癒の力を使う
『はい、おしまい。今から京都に帰るんでしょう?女の子が傷だらけのままじゃダメよ。』
私はにっこりと笑ってそう言った
「⋯おおきに⋯」
ボソッとお礼を言ってくれた
『いいわよ。ねえ、ゆらって呼んでもいい?』
「な、なんやの急に⋯別に好きに呼んだらええやん」
『ほんと?ありがとう、ゆら。
あ、自己紹介忘れてたわね。私の名前は奴良サクラ、よろしくね。』
「奴良⋯ってことは、ぬらりひょんの⋯」
『リクオと同じく孫なの、歳は大分離れてるけどね⋯』
大分どころじゃないけど⋯
「⋯⋯まぁええわ。私もあんたのことサクラって呼ぶわ。かまへんやろ?」
『!全っ然大丈夫!!むしろ大歓迎よ』
そう言うとゆらがふっと笑った
「全然歳上に見えへんわ。よろしく、サクラ」
私はゆらと握手を交わした