第9章 陰陽師の女の子
「なんだ…この…妖気のデカさは…!?」
百鬼が一斉に廃墟の周りを囲う
「ハァ…!?…どう…なってやがる…?
でたらめな数じゃねぇか」
「…お兄ちゃんコレ百鬼夜行や」
「百鬼夜行!?ふざけるなよ、だとすればこの中に…」
オレの周りには青や黒、毛倡妓や三羽鴉…カラス天狗に邪魅…河童や納豆小僧もいた
姉貴はオレの怪我を治す
ゆらの兄はこちらを見た
「…お前…何者だ!?」
「オレは…関東大妖怪任侠一家奴良組若頭、ぬらりひょんの孫…奴良リクオ。」
「ぬらりひょんの…孫…だと…!?」
緊張した空気が流れていた時だった
「みんな待って、ずるいですよ置いていくなんて」
走ってきた氷麗が転ける
「うわああ、ワナが…」
「雪女…お前人間の姿のままだぞ」
首無がそう言った
「…及川…さん…?」
「ん…?な…なんで陰陽師の子がここに…?」
ゆらは戸惑っていた
そんな時だった
もう一人の陰陽師がオレに向かってくる
「!!何こいつ…!?」
「妖怪ぬらりひょん…滅すべし」
それを青と黒が防ぐ
「昨日の続き、ここでやろうか…?」
と青田坊
「やめろ魔魅流、そこら辺にしとけ」
ゆらの兄が止める
「やめない、妖怪はみのがさない」
「…冷静になれよ、この数に勝てると思うのか?」
「勝てる」
その言葉に全員がイラつく
すると、もう一人の陰陽師に言言を使ったらしい
もう一人の陰陽師が倒れる
「やめろって言ってんだ…二人じゃキツイ。
大体オレたちは"ゆら"に伝えることがあってきたんだろ。
訃報だ、ゆら」
「…ふほう…?」
「ゆら…秀爾と是人が死んだ。
やつらが動き出した。花開院家の宿敵、京都の妖をたばねる大妖怪…羽衣狐!!」
その言葉に一部の妖と姉貴が反応する
「やつらは花開院家が京都に張っている8つの結界のうち、"2つ"をやぶった。
当主花開院秀元は魔魅流を本家に加え…修業中の身であるお前まで呼び寄せた。
言っている意味がわかるな?
事態は…思ったより悪い方向に進んでいるぞ。ゆら、京に戻ってこい…」
ゆらの兄はそう言うとオレの目の前に刀を刺す
刀が痛むだろうが…
「そーだ、"ぬらりひょん"に会ったらと…じいさんから言づてを頼まれた。」