第9章 陰陽師の女の子
「やれやれ、せっかく…カラス天狗達が夜なべして作った羽織がメチャクチャだ。」
「何故気付いた…?」
「てめぇの言葉は"ウソだらけ"そんな奴が素直にこんな堂々とした攻撃だけしてくるとは思えねぇからな。
…そもそも、てめぇみてぇな悪人面の言う事…誰が信じんだ?そこの妹以外。」
オレはゆらの兄に斬りかかった
「お…お兄ちゃん!?」
刀を収めた時だった
「妖怪は滅するもの…」
もう一人の陰陽師が向かってきた
慌てて対処しようとしたが…
「めつ」
札を貼られ、電流が流れる
「ガッ…」
体が、動かねぇ…
「くそ…いてぇ〜」
ゆらの兄が起き上がる
それもそうだ、オレの刀である祢々切丸は人間は斬れないのだから
「チィッ…陰陽師は…妖怪に負けてはならんのだ…!!ましてや…見逃すこともな…」
「ほ…本気で滅するつもりなん…?」
「当たり前だ!!見ただろう!?こいつは刀でオレを…」
刀はいつの間にかゆらの兄にとられていた
「やれ…魔魅流。さっさと…しまつしろ。」
「奴良くん…」
「闇に…滅せよ」
くそ、動けねえ
陰陽師の手は目の前まで来ていた
『雷よ、護り給え』
雷が目の前に落ちる
もう一人の陰陽師は間一髪でそれを避けた
『大丈夫?リクオ』
「姉貴…?」
『あなた達ね、うちの青をやったのは…』
「なんだ?もう…一匹妖怪…か?」
ゆらの兄が式神を構える
『…水よ、土に還れ』
ゆらの兄の式神が消えた
「なっ…」
姉貴は怒っているらしい
さっきから使っている術は陰陽術…か?
『まだやる気かしら?』
「めつ」
もう一人の陰陽師が姉貴に向かっていく
「姉貴!」
『滅せよ』
姉貴がそう言うと目の前に五芒星が展開した
その五芒星はもう一人の陰陽師の首にかかる
五芒星がどんどん縮小していく
「魔魅流、止まれ!」
ゆらの兄がもう一人の陰陽師の腕を掴んで引っ張った
「陰陽師…じゃねぇな…」
『陰陽師じゃないわよ?さ、そろそろ皆来たかしら?』
大きな妖気がこちらに近付いてくる
どうやら、姉貴は百鬼を連れてきたらしい
準備は万端…ってか