第8章 休息
『おじいちゃん、長生きしてね』
そう言うとおじいちゃんが驚いた顔をする
「当たり前じゃ、今のままじゃ隠居もできんしの」
『そっか。早くリクオに継いでもらわないとね』
「お前もじゃぞ、サクラ」
おじいちゃんが真剣な眼差しで私を見る
『…そうね…私ももっとしっかりしなくちゃね』
おじいちゃんがニヤリと笑う
「ま、リクオと頑張れ」
『頑張ります』
「おう」
それから二日後…
リクオが合宿?から帰ってきた
『おかえ…り?リクオ』
「ただいま!って…どうしたの?」
『いや…何か知らない妖が後ろにいるなあ…と』
リクオの後ろにいた妖
身長が高く、髪は長い、そして顔面にはおびただしい程の御札が貼られていた
なんなら御札は腰の辺りまでヒラヒラするくらい貼られていた
「ああ!邪魅って言うんだ。合宿先?で盃を交わして…」
『そんなポ〇モンみたいな…』
思わずツッコんでしまった
邪魅がぺこりと会釈をしてくれた
『…リクオのこと、よろしくね』
そう言うと、邪魅は頷いてくれた
「あ、そうだ姉さん。」
『ん?』
「ボク明後日から夏休みなんだよね。
だから…時々手合わせして欲しいんだ」
『???え?』
突然の申し出に思わず戸惑ってしまった
「ほら…この間の四国との戦いでボクももっと強くならないとなーって…」
『……いい…けど…』
「本当?ありがとう!」
ニコッと笑うリクオの笑顔はとても眩しかった
そしてリクオはそのまま自分の部屋へ行ってしまった
『え、どっち?昼?夜?』
昼のリクオなのか夜のリクオなのか…どっちを相手にするんだろうか
少しモヤモヤする…
いや、どっちが相手でもいいんだけど…
モヤモヤするけど…ま、いっか
次の日…
それは夕方の事だった
「皆の者、集合〜!!」
カラス天狗の声が屋敷中に響き渡る
『?珍しい…』
自分の部屋から庭を見ると屋敷にいたほとんどの妖が庭に集まっていた
?何かみんな並んでる?
三羽鴉が何かを配っていた
そしてそのタイミングで丁度リクオが帰ってきたらしい
「ただいまー」
そういえば、リクオは明日から夏休みか
そんな事を思いながら庭を眺める
氷麗がリクオに駆け寄る
「よーしみんないきわたったなー!!」
カラス天狗の大きな声が響く