第8章 休息
サクラside
夜しっかり寝て、朝早くに目が覚めた
『……朝…?』
外を見ると薄ら日が昇り始めていた
横を見ると氷麗も毛倡妓もすぅすぅと眠っていた
『…ゆっくり休んでね。二人とも』
私は二人に少しだけ治癒の力を使い、疲労を回復させた
『さて…』
軽く身支度を整え、リクオ達の休む部屋へ向かう
『あっ、おはようございます。若菜さん』
「あら、おはよう。サクラちゃん」
若菜さんはリクオのお母さんだ
すごく優しい人で、私にも優しく、そして本当のお母さんみたいに接してくれていた
『若菜さん、お早いんですね』
「そうかしら?
サクラちゃんは大丈夫?ゆっくり休めた?」
『氷麗と毛倡妓のおかげでゆっくり休めました』
私がそう言うと若菜さんが少し笑った
「二人とも張り切ってたものね。
サクラちゃん、今日も無理しちゃだめよ?」
『はい!ありがとうございます。』
私は若菜さんにお礼をいい、別れた
そのままリクオ達の休む部屋へこっそり侵入する
三人とも眠っているようだ
『よし』
私はリクオの傍に行き、治癒の力を使う
『これで、学校行けるわね』
ボソッとそう呟くと横から視線を感じた
「ハァ…」
そして聞こえるため息
『……おはよう?牛頭丸』
「何してんだてめー」
『いやー、ちょっと…はは…』
「ゆっくり休めって言われてるんじゃなかったのか」
『まぁ、そうなんですけど…リクオ、学校に行きたそうだったから…
牛頭丸、今見た事は内緒にしててくれない?』
「内緒も何もすぐにバレんだろうが」
『ぅっ…確かに…』
牛頭丸に正論を言われた
「ハァ…オレは何も見てねぇよ。
さっさと部屋に戻って休みやがれ」
『!…ありがとう、牛頭丸』
私はこっそりと部屋を出る
牛頭丸って案外優しいよね
そう思いながら襖を閉めた時だった
「「サクラ様!」」
小さめの声で声をかけられる
『げっ…二人とも起きてたの…』
「げっ…じゃありません!!お力まで使われて…何をされてたんですか」
「そうですよ!しっかり休んで頂かないと…」
毛倡妓がそう言った
『いや、ほら…目が覚めちゃったから…』