第8章 休息
「サクラちゃん?サクラちゃんならさっき、リクオたちが休んでる部屋に入っていったわよ?」
「え!?」
「若菜様、ありがとうございます!」
私達は急いで部屋に向かった
部屋に着くと、丁度サクラ様が部屋から出てきた
「「サクラ様!」」
小さめの声で声をかける
『げっ…二人とも起きてたの…』
「げっ…じゃありません!!お力まで使われて…何をされてたんですか」
「そうですよ!しっかり休んで頂かないと…」
毛倡妓がそう言った
『いや、ほら…目が覚めちゃったから…』
「だからって…」
『氷麗、毛倡妓、二人とも昨日はありがとう。
おかげでゆっくり休めたわ。』
サクラ様はそう言うとにっこりと笑われた
許してしまいそうになるが…
「いえ……そう言っても誤魔化されませんよ!」
「そうですよ!
まだサクラ様には休んで頂かないと!」
『…ハァ…わかった。ちゃんと休むわ』
本当に観念したらしく、サクラ様が部屋に戻って行く
「ところで、先程はリクオ様のお休みになられているお部屋で何をされていたんですか?」
『氷麗が予想してる通りよ。今日から、ちゃんとついて行ってあげてね』
どうやらリクオ様の治療をしたらしい
「わかりました。サクラ様はしっかりお休みになってくださいね?」
『…はーい』
サクラ様の部屋に戻り、私は毛倡妓と布団を回収する
「では、しっっっかりお休みください」
『ありがとうね、二人とも』
「「はい!」」
私は毛倡妓とともにサクラ様の部屋を後にした
それから数時間後
リクオ様は起床されると慌ててサクラ様のお部屋を訪ねたらしい
だがサクラ様は寝ており、お声はかけなかったようだ
「氷麗、まさか姉さん…」
「…夜、お休みになられるのは確認したのですが、朝起きるといらっしゃらなくて…。
屋敷中を探しても見つからず、若菜様にサクラ様の目撃情報をお伺いして、発見し再びお休みいただきました。」
私がそう言うとリクオ様は少しほっとした表情をされていた
「そっか…じゃあやっぱり怪我が治ってるのは…」
その後、リクオ様は学校へ行く準備をされ、無事に登校された
もちろん、私は護衛として一緒に登校した