第8章 休息
サクラside
その日の夜…
『本当に来たのね…』
お風呂も歯磨きも済ませ、自分の部屋に戻ると氷麗と毛倡妓が待機していた
「はい!さあサクラ様、寝ていただきますよ!」
氷麗は随分張り切っているようだ
「寝るまで出て行きませんからね」
『わかってるわよ。
二人も、今日はここで寝てもいいから…早く寝なよ?』
「「サクラ様がお休みになったら寝ます」」
『…おやすみ、二人とも』
「「おやすみなさいませ!」」
部屋の電気を消し、私は布団に入る
布団に入ると眠気が一気に襲ってきた
氷麗side
サクラ様が電気を消し、布団に入って数分も経たないうちに寝息が聞こえ始めた
「ようやく、お休みになってくださいましたね」
サクラ様を起こさないよう、小声で話す
「そうね。まさか、リクオ様もお休みになってないなんて思ってなかったわ…」
「お二人とも、無理し過ぎです…私達ももっとしっかりしないと…」
「氷麗、あんたもちゃんと休みな。私もそろそろ寝るわ…」
そう言って毛倡妓は布団に入る
「サクラ様も寝ましたしね。」
毛倡妓も少しすると眠ったようだ
私も布団に入り、そのまま眠った
「…ん…」
朝日が差し込み、目を覚ますと妙に体が軽い
ふと、サクラ様の布団を見るとそこにサクラ様のお姿は無かった
私は飛び起きた
「毛倡妓、起きて!サクラ様が脱走してます!!」
「……え?」
毛倡妓も飛び起きた
「いつの間に…それに、妙に体が軽いわね…」
毛倡妓も私と同じらしい
「もしかして、サクラ様…私達にこっそり治癒の力を使われたんじゃ…」
毛倡妓と目を合わせる
そして二人とも慌てて部屋を飛び出し、屋敷中をくまなく探した
「「いない…」」
どこを探してもサクラ様はいなかった
「まさか、外へ…?」
そう言った時だった
「あら?二人とも早起きねー」
声のした方を見ると、リクオ様のお母様である若菜様が立っていた
「「若菜様!おはようございます。」」
「二人とも、慌ててたようだけどどうしたの?」
「実は…」