第11章 いざ、京都へ
おじいちゃんがにやりと笑った
「ま、好きにするがええさ。お土産に八つ橋よろしく」
「…ずいぶん簡単じゃねーか」
リクオは少し驚いた顔をしていた
「因縁を断ってこい。
帰ってきたらお前が三代目じゃ。」
おじいちゃんはリクオにそう言うとチラリと私を見た
「ああそうだ、京についたら秀元に会うとええ。」
「誰だ?それは」
「陰陽師のお嬢ちゃんにでもきくといい。」
「…祝宴の用意でもして待ってろよ。」
リクオはそう言うと部屋を出ていった
「で、何か得られたか?」
『!そうね…まあ色々??』
「ははははっ…そうかそうか。
まあいいさ、それはそうとサクラ…お前は三代目を継ぐ気はあるか?」
空気が重くなる
『……リクオが三代目になるなら、私はサポートしてあげたい。
私は…総大将になる器じゃないしね。』
ニコリと笑ってそう返した
「そうか。ならその意思を尊重するしかないの。」
ハァ〜と、おじいちゃんがため息をつく
「リクオの事、頼んだぞ」
『もちろん!本当に祝宴の用意して待っててね。』
私も部屋の外へ出ようとした時だった
おじいちゃんが勢いよく襖を開ける
「待ちな!!」
庭にいた妖達がビックリしていた
もちろん、そこにいたリクオも驚いていた
「…じじい?なんだよ…出鼻くじくなって。」
「お前らにいーもん見せてやる。
呼んだらあっちゅーまに来やがったわい。」
おじいちゃんはニヤニヤしながら空を指さした
全員の視線が一気に空を向く
空には大きな船が飛んでいた
「「「ん…んん〜!?」」」
「な、何だぁあ〜!?」
『わー、大きな船…』
てか、船って空飛ぶものだっけ??
「奴良組名物、戦略空中妖塞"宝船"じゃ!!!
そして小判屋形船!
遠出の出入りにゃ〜必須よ…大昔っからな!!」
おじいちゃんのテンションが高い
「上から見下ろすと気持ちいいぞ〜、京都ってのはな!!」
「じじい…知らんぞこんなの。」
「わぉ…」
と淡島
「さっすが奴良組…ど〜こが衰退してんだか」
と雨造
黒田坊達も驚いているようだった