第7章 四国八十八鬼夜行
「みんな…」
「リクオ様、我々と七分三分の盃を…」
リクオが準備に入る間、鴆と二人きりになる
『鴆、ありがとうね。リクオにきっかけを作ってくれて』
「…お前もヘラヘラしてるが…随分しんどそうだな?
リクオ達にはバレないようにしてるみたいだが?」
キッと睨んでくる鴆
『そう?そんなこと、ないわよ』
「あの地蔵の事件の時からリクオと同じく不眠、それに加えて治癒の力を使えば…リクオ以上に体力も削られる。
それでよくリクオに無理するなとか言えたな」
『…よくご存知で。』
「休める時は休め。じゃねーと、『大丈夫。』」
『ほら、私リクオよりも妖の血は濃いし…体力もそこそこ鍛えてるから…』
「リクオにはバレないように動き回って、治癒の力も使って…」
『治癒の力はそこまで体力は消耗しないし、寝なくても大丈夫なようにしてるわ』
「お前、一日にどれくらいの薬を飲んでる」
『何のこと…「最近本家に置いてる薬の減りがやたらと早い。」』
「頭痛薬に吐き気止め、栄養剤なんかもやたら減ってたな。
睡眠不足による頭痛、吐き気、そのせいで飯もあまり食えてねぇ、そんな所か。」
鴆が睨んでくる
『私が飲んだとは限らないでしょう。』
私がそう言うと鴆がため息をついた
「お前が薬を飲んでるのをオレは見てんだよ」
『ストーカーかしら』
「違ぇ、薬の補充に来た時だ。お前が隠れて飲んでるのが見えたんだよ」
いつの間に…
確かに最近鴆の言った薬も飲んだし、体の調子も悪かった
『リクオが無理してるのに、私だけ楽するなんて出来るわけないでしょう?』
「お前な…それでお前が倒れたら本末転倒だろうが」
『倒れないようにしてるって言ってるでしょう?』
私は少し大きな声で反論してしまった
「サクラ様…」
襖をゆっくりと開けて入ってきたのは氷麗だった
『氷麗…』
「今のお話、本当ですか?」
氷麗の問いに答えられずにいた
全部、聞かれてたのか…
「サクラ様、私を…私達を頼ってください」
「姉さん、ごめん。無理させて…」
氷麗の後ろからリクオが出てきた
『リクオもいたのね…』
「ボクがもっと…しっかりしていれば…」
『それは違う!!私は…ただ…』