第7章 四国八十八鬼夜行
「リクオ…それは…お前の本音じゃねえ」
「本気だ!!本気で思ってる!!
でも今はまだ…ボクは下僕に信用されてないから!!
だから…頑張るんだよ!!」
その言葉を聞いた鴆はリクオの布団を剥ぐ
「アホかっ!!百鬼夜行はな、元々じーさんのモンだった奴らだろうが。
オメーに仁義を感じねえ奴はついてこねぇ…そんな奴ぁーほっときゃーいいんだよ!!」
「鴆くん…?」
「オレはついてゆく、オレは…お前と盃を交わしたんだからな。
リクオ、お前は…お前の百鬼夜行を作れ!!」
「ボクが、百鬼夜行を作る?」
「そうだ、妖怪なんざ…気まぐれなもんさ。
大将に強さを感じなきゃあ…どこへなりともすぐに消えてっちまう。
ましてや、盃も交わしてねえお前の下にゃあな。
いいか…リクオ……"畏"をぶつけて…百鬼を集めろ!
お前ならできる…」
「わかってる。鴆くん、それ…夜のボクのこと言ってんだろ!?
でも…一日の四分の一しかなれない夜のボクだけじゃあダメなんだよ。ボクは…この姿のままでもみんながついてきてくれるようにならなきゃいけないんだよ!!
今のままじゃダメなのは、わかってる…だから…頑張らなきゃ…」
『リクオ、百鬼夜行っていうのは、昼も夜も関係なくあなたについてくる"仲間"を集めるのよ。
"下僕"を従わせるんじゃなくて、"仲間"を集めなさいって言ってるの。』
私がそう言うと鴆が勢いよく襖を開いた
「ちょ…青…黒?」
「いてて…バレてたのか…」
首無はどうやら皆の下敷きになったらしい
「リクオ様!!我々と…"盃"を交わして下さい!!」
「え…!?」
「我々がリクオ様に仕えているのは…もともとは盃を交わした総大将の任命だったからです!!」
「いわば今…リクオ様と拙僧達には何の契りもない!!」
「でも…ここまでお側にいたからこそわかるのです…」
「つらら」
「リクオ様は人も妖怪も護って下さるお方…」
「そんな器のでけぇあなただから…オレたちの総大将にふさわしいと思えるんです。だから、この苦情のこの時こそ!!
"盃"を交わして今のリクオ様についていきたい!!」
「……でも……ボクは四国がきてからみんなに迷惑かけっぱなしだし…」
「だから、我々と一緒に戦いましょう!!オレ達を使ってくれりゃーいーんです!!」