第7章 四国八十八鬼夜行
サクラside
本家に戻り、少しするとリクオ達が帰ってきた
『おかえり、リクオ』
「ただいま、姉さん。そういえば、姉さんって学校いたの?」
リクオがそう聞いてきた
『ん?いたよ?気付かなかった?』
「全然」
『そう。なら、誰だったか当ててみせてよ』
私がそう言うとリクオは悩んでいた
『ま、その話は置いといて…今日の件も含めて一度緊急で幹部を集めましょ』
「そうだね」
リクオが烏天狗に話を通すと三羽鴉達が急いで幹部に号令をかけに向かった
リクオは着物に着替えていた
『で、私は誰だったかわかった?』
「うーん…思い当たるとすれば突然現れた教育実習の…」
『ピンポーン!大正解』
「ぜんっぜん分からなかったんだけど?!」
『そりゃね、バレないようにしてたからね』
私がそう言って笑うとリクオが不思議そうな顔をしていた
「だけど、夕方には誰も覚えてなかったような…」
『あ、記憶消したからね。私が一日だけいたってことを』
「!?そんな事もできるの?」
『出来るよ。効果には限りがあるけどね』
「もし、今日の一件でボクの正体がバレてたら消せるのかな…」
リクオはボソッとそう言っていた
『微妙かな、私の場合はあんまり関わりもなかったしね』
「そっか…」
『バレてないと思うよ?バレてたらもっと騒ぎになってる』
私がそう言うとリクオはほっとしていた
「なら大丈夫か…」
『さ、そろそろ幹部達が集まってくるわよ、準備して』
「姉さんもしかして…逃げる気?」
ギクッ
心の声が漏れそうになる
『な、なんのこと?』
「ボクのことサポートしてくれるんだよね?
なのに、総会は出ないとか…なしだからね?」
反射的に後ろを向いたが背後からの圧がすごい
『…いやだって、私が出ても…』
「いやもだってもない。出てくれるよね?姉さん?」
ああ、リクオの方がうんと歳下のはずなのにこんなにしっかりしてるなんて…
誰だよしっかりしてない的なこと言ってたヤツ
今見てみろよ、断ろうものなら殺られる勢いだわ
『…断r…「姉さん?」』
『出ます』
有無を言わせぬ空気に思わず出ると返事した
リクオって昼の姿でも怖いよね