第7章 四国八十八鬼夜行
「「もちろんです!」」
二人はそう返事をしてくれた
『ありがとう、二人とも。』
「にしても…そのお姿だと二代目にそっくりですね…」
毛倡妓がまじまじと見てくる
『人間の姿…になるのかな?よく皆に似てるって言われるんだけど…そんなに似てる?』
「ええ、そっくりですよ。」
『そっか…そっくりなんだ、お父さんと…』
「リクオ様とも似てますよ?妖の姿も、人間の姿も…」
氷麗がそう言った
『そうなの?自分ではわからないけど…』
「似てます!なんて言ったって、色気が凄いし…美男美女でしょう?
それに…瞳の色も妖の姿のときは同じ赤色ですしね!」
『よ、よく見てるのね…氷麗』
「はい!」
「確かに、リクオ様にも似てますよ。」
そんな会話をしている時だった
「サクラ様!」
中庭に出ると黒羽丸がいた
『?どうしたの、黒羽丸』
「リクオ様のご学友が敵に…」
『敵は…リクオの友達に手を出したってこと?』
「はい」
『…わかったわ、私も出る。』
「「サクラ様?!」」
氷麗と毛倡妓が驚いていた
『氷麗、毛倡妓、少しだけ出てくるわね。
…黒羽丸、その友達の所に案内して頂戴』
「はっ!」
私は妖の姿に変化し、黒羽丸について行く
案内されたのは病院だった
『黒羽丸、ありがとう。
リクオのこと、サポートしてあげてね』
私がそう言うと黒羽丸はすぐにリクオの元へ向かった
『さて、と』
病院に入るのはさすがにまずいか
そう思った時だった
?土地神の気配?
少しだけ感じた気配を辿る
そこには小さな祠があった
「…あなたは…」
『奴良組の、奴良サクラです。あなたは…ここの土地神?』
「あなたがサクラ様でしたか、これは失礼を。
ここの土地神の…千羽と申します。」
『そう、千羽様ね。覚えたわ』
「ところで、どうしてここへ?
黒田坊様も先程ここへ来られ…呪われてしまった娘の呪いを解くために地蔵を探しに向かわれましたが…」
『呪われてしまった娘…呪いか…』
恐らくその子がリクオの友達なのだろう
呪いはとてもややこしい、解けなくはないだろうけど…
「小生はしょせん願掛け程度の小物…あの呪いでは何も出来ぬのです…」