第6章 はじめましてと奴良組総会
リクオside
着々と総会の用意が進み、幹部たちもほとんど集まってきていた
そんな中、上座でじいちゃんとボクと姉さんは黙々とご飯を食べる
もちろん、幹部たちもご飯を食べていた
そんな時だった
『…リクオ、おじいちゃん、ちょっと私抜けるね』
「え?」
驚くほど早いスピードで屋敷を出た姉さん
「何が…」
横に座るじいちゃんの方を見るが、特に何かをする訳でもなく黙々とご飯を食べていた
じいちゃんが何も言わないってことは…姉さんはそのままで大丈夫って事なのかな
幹部たちがコソコソと噂話をする中、総会開始の時間が近付いてきていた
「リクオ様、どーして夜のお姿でご出席されないんですか!」
そう聞いてくるのはカラス天狗
「そんなポンポン変化できるもんじゃないんだよー…きっかけが…」
そう、きっかけだ。ボクが変化するにはきっかけがいる
そのきっかけはボク自身あまりわかってない
でも、なんとなくはわかる
「その姿では…不利ですよ。総大将との約束をお忘れか!」
「…忘れてないさ!それはもちろん…」
じいちゃんと交わした約束…
若頭襲名にあたって、本当に継ぐ意思があるのなら牛鬼の件を総会で裁けと
裁けなければ…それだけの器だったってことだなって…
わかってる。ボクはボクのやり方で皆を納得させる
そんな事を考えているうちに、総会開始の時間となった
「なんですかな?今日の総会は…私の知る理由なら、赤飯など出るはずもない。」
そう言ったのは一ツ目入道だ
「オレはねェ…組のためを思って言ってるのよ?
ただでさえ西方の勢力に押されとるんじゃ、ここらでビシッとなー…弱体化はごめんじゃ!!」
そんな一ツ目の言葉を聞き、じいちゃんが話し始める
「そうじゃ…ここで組の強化のために、この総会で奴良リクオに正式に奴良組の跡目である"若頭"を襲名させる」
「ハ?」
一ツ目が不振そうな顔をする
それは他の幹部も同様だ
「今までテキトーにしてきたがな…よって、牛鬼の件はリクオに裁かせる!!」
じいちゃんがそう宣言した
「ちょっと総大将…今さらリクオ様に何の期待をかけているのですか、ハハハ…」
一ツ目はボクを馬鹿にしているらしい
「リクオ」
じいちゃんがボクの名前を呼んだ
「うん」
さあ、ボクのやり方で…纏めようか