第6章 はじめましてと奴良組総会
カラス天狗に連れられ、リクオの部屋へ向かう
カラス天狗が先にリクオの部屋に入り、何かを伝えたあと出てきた
「さ、中でリクオ様がお待ちですぞ」
そう言ってカラス天狗は私の背中をぐいぐいと押してきた
『…大丈夫よ、カラス天狗。ありがとう』
カラス天狗にそう伝えると、背中を押すのをやめた
「何かありましたらお呼びください」
そう言ってカラス天狗はどこかへ行ってしまった
『失礼…します』
リクオの部屋に入る
そこには着物を着たリクオがいた
この子が…私の弟なんだ…
「えっと…ボクに会いたがってる妖って…あなたですか?」
『はい。はじめまして、リクオ様』
「あ、はい。はじめまして…それでどうしてボクなんかに…」
『…実は…その、えっと…』
あー、緊張する…
『リクオ様は…その…姉弟はおられますか?』
って、何聞いてんだ私
「姉弟…?…いますよ…ボクの目の前に姉さんが」
『え…』
「はじめまして、サクラさん。父さんからもじいちゃんからも…たくさんお話を聞いてます。そんなに緊張しないで、色んなことお話したいです」
『…なんで…え、なんで気付い…て』
「実は、カラス天狗がさっきボクに教えてくれました。」
『…カラス天狗め…その…リクオ…えっと…』
どうしよ、想定外すぎて余計喋れない…
「あ、そうだ言うの忘れてた…おかえりなさい、姉さん」
『……ただいま、リクオ』
あーもう、また目に涙が…
『改めまして…奴良サクラです。歳は…言いません。
その、仲良くしてくれると嬉しいです。』
「奴良リクオです。歳は…12歳です。仲良くしてください!」
『…若いなあ…』
「いや、自己紹介してすぐの感想それなの?!」
『はは…いや年齢の差が…』
「妖に年齢は関係ないでしょ。」
『まあ、そうなんだけどね…』
「ボクは年齢なんて気にしないから安心して、姉さん」
『…ありがとう、リクオ』
それから、リクオと私は他愛のない話をした
気付けば外は真っ暗だ
『あ、随分話し込んじゃったみたい…』
「そうみたいだね」
『そろそろ部屋に戻ろ…う…』
部屋に戻ろうと立った時だった
一瞬目を離した隙だった
「もう戻るのか?」
目の前に覚醒した姿のリクオがいた