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ぬらりひょんの孫〜鯉伴、もう一人の子供〜

第5章 奴良組




しばらくして泣き止むとおじいちゃんがこちらを見ながらニヤニヤとしていた

「お主がその姿で泣いておると、鯉伴を思い出すの…」

『さっき、カラス天狗にもそっくりだって言われたわ…そんなに似てる?』

「ああ、瓜二つじゃ」

『…にしても、おじいちゃん老けたね…』

「…好きで老けたわけじゃないぞ」

『知ってるわよ。でも、元気そうでよかった』

「まだまだ若い者には負けてられんからな」

『おじいちゃんらしいや。
ところで、私の部屋に来たってことは…何か用でもあったの?』

「お主が心配でじーじが見に来てやったんじゃ。ま、それだけでは無いがな」

『じーじって…』

「ほれ、これを鯉伴から預かっとる」

そう言っておじいちゃんが差し出してきたのは一本の刀だった

『え…』

「腕のいい鍛冶師を見つけたそうでな。お前の護身刀にと言っておったが…」

『護身刀の域は超えてるわ…この刀…』

綺麗な模様の入った柄から抜くと白銀に光る刀身

『わあ…切れ味良さそう…』

「お主なら上手く使うじゃろ。」

『もちろん、上手く使ってみせるわ。』

「そうか、きっと今頃鯉伴も喜んでおる」

『だといいな。』

その後再びおじいちゃんと他愛のない話をした

話を終え、食事を取り、お風呂に入り、歯を磨く

この屋敷で過ごすのは新鮮だった…でも、懐かしかった

その日、布団に入った私はすぐに眠りについた

妖の活動時間は夜、でも今日はゆっくり眠ることにした











『え、リクオいないの』

次の日の朝、目覚めて身だしなみを整えてカラス天狗を訪ねた

「ええ、リクオ様は学校に行っておられますので…」

『そっか、リクオは学生かあ…12歳ってことは…中学生…?』

自分の言った言葉に戦慄する

ひえ…年の差が怖すぎる…

「そうなりますね」

『もしかして…リクオのお母さんより…私余裕で歳上なんじゃ…』

「若菜様は人間ですので…そうなりますね」

『ひえ…大丈夫かな…』

「それはなんとも…」

カラス天狗のその言葉に私は不安でいっぱいになった







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