第10章 奥州遠野一家
「…私のやることは遠野を全滅させることではないのだよ。
だが…ぬらりひょんの孫に手をかしたことはおぼえておく。
奴良組とつるめば…花開院のように皆殺しだ。」
花開院のように…?
有行達からはそんな報告受けてないけど…?
「二週間以内に京は陰陽師と共に…羽衣狐様の手に落ちるのだ。」
鬼童丸はそう言うと遠野の畏を断った
「何だったんだアイツ…」
淡島が呟く
「とにかく、今は修業だ。
"鬼憑"使えるようになったんだろ?感覚忘れねえうちにやるぞ」
イタクは修業場の方へと走っていった
「おう」
リクオがイタクを追う
他の面々も二人を追って行った
『ハァ〜…だめだ、陰陽術使う癖が抜けない…』
最近事ある毎に陰陽術を使ってしまう
お母さんの畏だって嘘つく訳にもいかないし…
私も色んな意味で修業しないとな…
『よし』
私も修業場へと向かった
次の日…
『冷麗、修業に付き合ってくれてありがとうね』
「全然よ、私の方こそありがとうね」
横でリクオとイタクが修業する横でほのぼのと会話をしている時だった
淡島が遠くから走ってくる
「たいへんだぜリクオォォ!!」
「!!淡島」
「京都方面に行ってる遠野モンから連絡があった、陰陽師は壊滅だ!!
京都が…羽衣狐の手に落ちるぞ!!」
「陰陽師が壊滅…!?」
リクオもイタク達も驚いたようだ
「詳しいことはわかんねーが…手練の陰陽師が軒並みやられたらしい。
てめぇ京都に友達がいんだろ!?
今すぐ助けに行くべきだぜ!!今のお前なら里の畏は断ち切れるはずだろ!?」
淡島がリクオにそう言う
リクオは羽衣狐の名を聞き、少し考えていた
「悪ぃ、少し…一人にしてくれ」
リクオがそう言うとイタク達は修業場を後にした
『リクオ…』
「…姉貴なら…どうする」
『私…?…もっと修業はしたいところだけど…後悔はしたくないかな』
助けられなかった後悔はしたくない…
目の前で尽きていく命をもう見たくない、それが私の思いだ。
「そうだよな…迷う余地はねえよな…」
『リクオ、あなたの思うようにすればいいと思う。
今までのリクオよりうんと強くなれたんでしょう?』
「ああ、そうだな。…今夜、赤河童に話を通しに行く。
ついてきてくれるか?姉貴」
『もちろん』