第8章 始まりの始まり
「でもマネージャーなのにさっき強烈なサーブ打ってたよな!
すっげえなあれ!男子バレーでもなかなか拾ったことない球だったぞ!
どこ中だ?」
「「相変わらずうるさい」」
と澤村と菅原が声を合わせて呟くが、は後ずさった足を前に戻して、
『あ、一応マネージャー業もやってますけど、本業はトレーナーとして烏野バレー部にいます。
1年の金烏です。初めまして!
ちなみに中学は豹紋中です』
と改めて挨拶をした。
の返答に目を丸くした西谷がさらにまた一歩に詰め寄る。
「トレーナー!?指導者ってことか!?
それに豹紋中って女子バレーの超強豪じゃねえか!プレーヤーだったのか?」
「はな、豹紋中女子バレーの元キャプテンだったんだぞ!」
「なんで田中が自慢げなんだよ」
自分のことかのように言う田中に思わず澤村がツッコむ。
「西谷さんはどこの中学なんですか?」
と影山が問うとくるりっと影山の方に向きを変え、
「千鳥山だ!」
「強豪じゃないですか!なんで烏野に?やっぱり烏養監督の復帰を聞いて?」
「....いや、俺が烏野に来たのは
女子の制服が好みだったからだ。すごく!」
皆の目がは?と言っている中、
『わ、わかるー!!!』
「おおー?!わかるか!?」
『わかりますとも!赤くて大きなリボンに白いカーディガン、スカートの丈もちょうど良くて理想中の理想!
それに西谷先輩、うちの高校の女子
顔面偏差値高い!』
「ああー!そうなんだよ!お前よくわかってるな!
それになんつっても男子が学ランだからだ!黒のな!」
『男は学ラン!って言いますもんね!
それにやっぱり学ランは茶とかグレーじゃなくて黒がいい!!』
「おお!!!お前とは気が合いそうだ!」
パチン!とハイタッチをする二人を見て、
西谷がの騒がしさを引き出してしまった、と澤村は思った。