第11章 対音駒、ゴミ捨て場の決戦
点を入れては入れられ、入れては入れられが繰り返される。
音駒も烏野も互いに熱が入ってくる。
『...好敵手って感じだね。』
の呟きに、武田が首を傾げた。
「好敵手、ですか?」
「ああ、そうだな。
ギリギリの戦いの中で、互いに影響し合い、
時に実力以上の力を引き出してる」
繋心の補足に武田はなるほどと頷いた。
「それで、好敵手、ですか。」
犬岡が後衛へと下がり、黒尾が前衛になったのを見た影山が日向の首根っこを掴んでエンドライン側へと引っ張った。
「うわ!何すんだよ影山!」
『あ〜、もうまた飛雄ってば洋服引っ張って〜』
「が心配すんのは、日向より服かよ...」
と、呆れたように菅原がツッコんだ。
「あいつが前衛にいる間はいつもの速攻やるぞ」
「フワッじゃなくてギュンッのほう?」
「ああ、そうだ」
「なんで?」
「なんとなくだ」
そして影山の作戦により、いつもの変人速攻が決まる。
『なるほどね。黒尾さんが出てきたから、普通の速攻は一旦中止して変人速攻に切り替えたんだ』
2人のプレーを見たがそう呟き、繋心の方を見た。
「ああ、これは正しい判断じゃねえか?
あの3年の手練れのミドルブロッカーには変人速攻の方が有効だろうからな。」
『うん、そうだね』