第8章 始まりの始まり
『飛雄〜!今日の午後練も一番乗りだね
ちゃんとホームルーム参加してる?』
「あ?してるわ」
他のクラスの担任が話長すぎんだろ、といい影山はターゲットとしておいたペットボトルに向かってサーブを打つ。
『お?当たりそう!』
と思ったが、急に入り込んできた日向が顔面でレシーブを受ける。
「ぐあっ」
「おい!邪魔すんなボケ!日向ボケ!」
『あ〜もう翔陽〜!今当たりそうだったのに〜』
影山とは日向にすかさず文句を言う。
『もー、ギャラリーにボール飛んでっちゃったじゃん〜。翔陽ちゃんと取ってきてよね。私は行かないよ、次はサーブ私の番なんだから』
「ちぇ〜」
膨れた日向を見送り、もサーブの体制に入る。
『私も久々にスパイクサーブ打とうかな』
「膝気をつけろよ、」
『わかってますよ、飛雄兄ちゃん』
「兄ちゃんじゃねえ」
そんな会話をしながら、トスを高くあげると数歩強く踏み込み、遠心力を使って思い切りスイングする。
(トスの高さバッチリ、タイミングバッチリ、コースバッチリ!当たる!)
シュッと風を切るような音が聞こえたかと思うと、
ポスッ
の打った強烈なスパイクサーブは突如入ってきたレシーバーの手により勢いを完全に殺され、セッターのいる位置にきっちり返された。
『...へ?』