第8章 始まりの始まり
学校に戻った烏野は今日の反省点を踏まえて軽く練習を行う。
3人がコートに入り、がどんどん打ち込むスパイクをお見合いすることなく取る練習だ。
『翔陽!今のは翔陽のボールじゃない!1歩下がる前出過ぎ!』
『田中先輩、あと0.5秒早く落下点を読んで入る!』
『縁下先輩、横で取るときはもっと角度に意識を持ってく!!』
「の練習はスパルタだけどやっぱり的確だよなあ」
コート外で順番待ちをしている菅原が言った。
「ああ、でもさっき及川が言っていたことは間違いではないと思う。の的確な指示をすぐに実行するにはやはりそれなりの技術も必要だ。
もっと努力しなきゃな」
澤村もスパイクを打ち続けるを見てそう言った。
ありがとうございましたーー!!!
挨拶と共に今日の練習が終わる。
急に左肩に重さを感じたがよろけると反対側にいた影山がそれを支えた。
『わっ、翔陽寝てんの!?』
「おい、日向!あぶねえだろうが!」
日向はの肩にほぼ身を預けたまま寝ている状態だった。
そんな状態でもモップを持ち直し、コートを掃除しようとするものだから、慌ててが止める。
『し、翔陽!危ないからいいよ私やるよ!
...寝てるから聞こえてないし』
「ほっとけ」
との手にある日向から取ったモップを今度は影山が取り上げ代わりにモップがけを始めてくれた。
ありがとう飛雄!といい、は武田の元へと向かう。
『武田先生、練習試合組むのから引率までありがとうございました!
あの強豪と戦ったこの機会、成長の無駄にはしませんので!』
「頼もしいよ、金烏さん。素人目にも君がすごいトレーナーだというのがよくわかった」
『いや、私はまだまだです。
それと向こうの入畑監督とも話しましたが、うちにはまだまだ穴が多いし決定的な攻撃力と守備力も足りない。もっと成長させなければ』
そんな会話をと武田がしていると向こうから澤村が歩いてきた。