第8章 始まりの始まり
「はあ、なるほど。
点をとってサーブ権を獲得するたびにローテーションが回っていて、今は影山くん、月島くん、縁下くんが前衛か」
作戦盤を見ながら、武田がそう呟いた。
『はい、翔陽と蛍をミドルブロッカーとして対においたのは、翔陽が前衛の時には攻撃力を上げ、蛍が前衛の時には高身長を活かした威圧感のあるブロックを影山と組ませるという魂胆があります』
武田の言葉に補足するようにが答えた。
2人の会話に目線を落としていた菅原が顔を上げてブロックを見ると眉をひくつかせた。
「...まあ、なんか、ギスギスしてるけど...」
今止めたの僕なんだけど。俺の手にも当たった。といつまでも言い争いをやめない2人に澤村の雷が落ちる。
その2人を見てニヤつく日向の胸ぐらを今度は影山顔掴んだ。
『こら!!またそうやって!服が伸びちゃうでしょうが!!』
「だからまたずれてるんだってばは!」
日向が涙目でを見た。
いざこざはあったがなんとか2セット目は烏野が勝ち取り、3セット目を控えた状態で数分間のブレイクタイムが入る。