第8章 始まりの始まり
2セット目が始まった。
作戦通り日向がマックスのスピードで跳びスイングするが、空振ってしまう。
「日向!
悪い、今のトス少し高かった。」
素直に謝る影山に、中学時代のチームメイトは驚愕した。
「影山が謝った...?」
「許してやらなくもない!」
と偉そうに言い返す日向の頭を影山がミシミシと握りだす。
「痛い痛い痛い!」
『今日は服じゃないの偉いぞ〜飛雄〜』
「だから大事なのそこかよ!」
ピーー
相手サーブがこちらへ来る。縁下が上げ、しっかりと影山の手元へ飛んでいく。
パシュッ ダンッ
青城が誰も反応できないまま、日向と影山の超速攻が決まった。
『よっし!』
はガッツポーズを取る。
「なんだ今の!」
「速え!」
観客席もざわめきだす中、澤村が2人を呼んだ。
コートの真ん中に集まり皆で拳を突き出し、オオーシ!と声を上げる。
「おお!チームっぽい!」
「ぽいじゃなくてチームだろうが」
『くうううう!私もコート入って拳やりたい!仕方ないから入れない組でやりましょう、おおーし!』
日向と田中の会話を聞いたが堪えきれずそういい拳を菅原に突き出した。
「入れない組って...ほんとにはデリカシーあるんだかないんだか」
と菅原は苦笑した。
『烏野!反撃開始だよ!』
の言葉に烏野は皆にやりと笑った。
再び日向がライトからスパイクの助走に入ると、向こうのブロックは日向について高く飛ぶ、が、トスはレフトにいた田中に上がった。
「クソッ今度は囮かよ。」
作戦通りの展開にはにやりと口角を上げた。