第2章 豹、全国へ行く
「。交代だ。医務室に行きなさい」
『っ、』
まだやれます。飛べます。打てます。拾えます。は監督にそう言おうとしたが、あまりの痛さに言葉が出なかった。
コーチとチームメイトに支えられなんとか片足で歩く。
悔しさと痛みで、顔が上げられない。
痛みによる生理的なものか、悔しさからか、涙が滲んでくる。
(くそっ、こんな時に、、!)
「。次の舞台は私たちが用意するから。心配せずに医務室行きな」
梓の言葉にははっとして顔をあげる。
頼もしいチームメイトの顔がそこにはあった。そうだ。
今は仲間を信じるしかないんだとは心を奮い立たせた。
『、、、頼んだ!』
精一杯の笑顔を作り、はコートを去った。