第6章 賑やかな烏たちと
『ごめん!影山!日向!戻るの遅くなった!』
「何してたんだよ」
少し不機嫌そうな影山がぶっきらぼうに言った。
『ツッキーにバレーについてつい熱く語っちゃって』
「「は!?」」
『いやあ、怪訝そうな顔されたなあ』
「当たり前だろ!」
と本日2回目の日向のツッコミをは流して、練習に参加する。
がボールを打ち込み、日向がそれをレシーブして影山の元にあげる。
「うわ!」
という声と共に、ボールが横に飛んでいく。
『日向、ボールを受ける直前に体に力入ってる。ボールの力を吸収するようにレシーブはしないと。』
「...力を...吸収..」
うーんと、首を傾げる日向を見て
「言葉でどんなに言ったってバカなこいつにはわかんねえよ」
と影山が吐き捨てる。
なんだとー!といつもの言い合いが始まる前に、それじゃあ、とが遮ると
『日向くん。想像してください』
「はい」
『スーパーボールをフローリングの床に落とすのと、ふかふかの布団の上に落とすのと、どっちが弾まないと思う?』
「そりゃあ、ふかふかの方だろ!」
『フローリングと布団の違いは何?』
「柔らかいかそうじゃないか!」
『正解!つまり、日向の体が硬ければ硬いほど、ボールの衝撃を抑えることはできない。腕は曲げないけど、体の無駄な力は抜いてレシーブしてみて』
「わかりやすい!わかった!」
「やっぱすげえなお前」
は2人の言葉にえっへんと胸を張りスパイクを再び打ち込む。
綺麗に上がったわけではないが、まだ影山が拾えるレベルのボールが上がる。
「上がった!上がったよ、!!」
『そう!そんな感じ!やったね日向!!!』
と2人で手を取り合って喜んでいると、
「まだ、やってんのか3人とも。も朝早かったんだから、キリのいいとこでちゃんと終わりにしろよ」
と眉を下げて笑う菅原と田中が来た。