第11章 対音駒、ゴミ捨て場の決戦
繋心の指示通り、影山は普段より緩やかなトスを上げ、日向はボールを見ているがなかなか日向の手にボールが当たらず、スパイクも決まらない。
『...翔陽、焦り始めてきたかな』
「...ああ、そうだな。タイムとって一回頭冷やさすか
もっかいターイム!」
繋心が再びタイムアウトを取り、烏野メンバーが皆集まってくる。
『翔陽、一回落ち着こう。
この短期間で急に打てるようになるわけない。ゆっくりでいいからボールと自分の距離感を掴むの。
そのための練習試合なんだからね』
が手に持っていたうちわで扇ぎながら日向にそういうと、日向も頷いた。
「お、おう!
す、すみません。おれ...ミスたくさん」
からレギュラーメンバーへと体の向きを変えた日向は皆に頭を下げてそう言った。
「何を言うか!俺はいつもお前のおかげでフリーで打ててるからな!
たまには俺の方がかっこいい試合があったっていいんだ」
そう胸を張って日向をフォローする田中に西谷が口を開いた。
「旭さんのほうが決めてるけどな」
「うっるせえ!とにかくいいんだ!ねっ、旭さん?」
「あ...うん。そうそう。点は俺たちが取り返すよ」
『おお〜、珍しく田中先輩が先輩らしく頼もしいこと言ってる〜。ねえ蛍?』
「西谷さんに面子潰されてたけどね」
『こら、そういうこと言わない』
「はそういうこと割と言うけどね」
珍しく山口にツッコまれたはなんで!?と、山口の肩を揺すった。
「日向、何か掴めそうならとことんやりな。
跳んでる時は1人でも後ろには俺たちがちゃんといるし
点はエースが取り返してくれるらしいしな!」
澤村も東峰の背中をバシッと叩きながらも、日向をフォローするようにそう言った。
『そうそう!
コートの中にはいないけど、私だってついてる!
解決策一緒に探すし!ね!翔陽!』
の言葉を聞いて、僅かに日向が微笑んだのを見て、もピースサインを出しながら微笑んだ。