第4章 食肉類から猛禽類へ
目指していた体育館が見えてきた。
ようやく、夢の烏野高校男子バレーボール部だ!
一繋さんが教えていたあの!
はそう考えると、自然と足が早くなり、最終的には小走りになって入り口へ向かう。
「おいっ、ちょっとどけ!」
「ぐあっ!」
ドンッ
『うわあ!』
入り口へ回り込んだ瞬間にに何かがぶつかってきた。
人...?人だ。何で人?
と思いながら、はその人の下敷きになっていることに気がつく。
「う、うわあ!ごめん!ごめんなさい!大丈夫?!」
まるで太陽みたいだ、とは思うと、オレンジ髪の彼に視線を飛ばす。
『っつーー! ま、まあ何とか』
は肩をさすりながらも、ははっと苦笑いを浮かべる。
とっさに身を低くしたため、大したダメージはなかったようだ。
「おい影山!お前のせいで2人も怪我するところだっただろうが!」
「そもそもこんなことになったのはお前のせいだろうが!」
「とにかくお前も謝れよ!!」
「ちっ、悪かった」
罰が悪そうに目を合わせずに、その背の高い男の子はに謝る。
「すみませんでした!こいつともちゃんと協力します!部活に参加させてください!!」
と、入り口に向かって叫ぶ彼を見て、なにごとだ?とが首をかしげていると
「本音は?」
ニョロっと入り口を僅かにあけ鋭い眼光がのぞいた。
『ひっ』
何やってんだこの人たち、とは不気味に思いながらもとりあえず彼らのやりとりを見つめていると、
その鋭い眼光がへ覗く。
「あれ?君どうしたの?女バレは体育館ここじゃないんだよ」
と顔を全て出し、鋭い眼光の持ち主がに答えた。
普通にしていれば穏やかな顔じゃないかとはふと思う。
『あ、一年の金烏です。女バレ希望ではありません。
烏野高校男子バレーボール部のトレーナーをやらせていただけないでしょうか』