第10章 烏野、完全体へ
「お前はエースじゃないけど、そのスピードとバネと俺のトスがあればどんなブロックとだって勝負できる!」
『翔陽!
身長なんて関係ない。ブロックを打ち抜いて決めた点も、ブロックを躱して決めた点も、チームにとっては大事な大事な一点だよ。
翔陽がたくさん点を決めれば決めるほど、相手は翔陽を意識する。そうなれば、他のチームメイトがブロックの影響を受けづらくなって決定率が上がるんだよ。
つまり翔陽はチーム全体の点数獲得に大きく関わってる。チームを勝利に導くことのできる役割なんだよ』
「それでもお前は、今の自分の役割がカッコ悪いと思うのか!」
「...思わない。
思わない!!!」
「『よしっ!!』」
が駆け寄り、日向の頭をわしゃわしゃと撫でる。
「わっ!
...、ごめん。
影山も」
『まあ肉まん1個で許してやるか!ねえ、飛雄?』
「...2個だな」
『厳しいな〜』