第10章 烏野、完全体へ
「が私は技術は教えられるけど、
男子バレーの作戦を考えるには力不足だからどうか来てくれって毎日頼みに来てな」
『ちょっと!繋心くんそれ内緒にしてって言ったじゃん!』
そういいながら慌ててが繋心の口を押さえようとするが直前で繋心本人に腕を掴まれ、
もう手遅れだろと告げられる。
「〜〜〜!お前ってやつも、ほんとに、ほんとにかっちょいいな〜〜〜!!」
『え!田中先輩また泣くんですか!
ちょっとタオルタオル!!』
タオルを探しに皆の輪から離れたを見てから繋心は皆の方に向き直った。
「あいつにあんな頭下げられたら、もういいって言うしかないだろ。
あいつ、トレーナーとして烏野の男子バレー部にいさせてもらうのは自分のエゴだって言ってた。
選手としてバレーボールに関わることができなくなって、それでもバレーボールに関わりたいって思うそんな自分のエゴだって」
その言葉を聞き、烏野バレー部は皆目を丸くし、影山が口を開いた。
「っ、そんなわけ!のおかげで俺らがどれだけ助かってるか、」
「知ってる。
それでもあいつは、自分のおかげでなんて思うことはないだろうな。
自分のエゴで始めたことだけど、毎日お前らのこと見てたら自分の全てを捧げてでもお前らが羽ばたく手助けをしたいって。そのためになら何だってできるっていつも言ってた。
あいつの思いが少しでも報われてほしい、俺はそう思ってるからここに来た。
今日はとりあえず、あいつがいて相応しい場所か見させてもらうからな」
「「「はい!!!」」」
が繋心だけに告げた本音を聞き、皆の士気が上がった。
それほどにの思いは皆の心を熱くした。