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【ツイステ】監督生はプリンセス(長編)

第11章 Prey (観察対象は監督生さん)



「では、各国の情勢を知ることから始めましょう」

海のデザインが綺麗な椅子をユウの隣に置き、ジェイドも同じ机に向き合った。そこで一枚の紙を差し出す。


「まず貴女の知識がどの程度あるのか知りたいので、簡単な問題を用意しました。これを解いてください。当たり前のことばかりで手ごたえがないでしょうが」


「が、頑張ります!」


渡された紙は薔薇の国、輝石の国などワンダーランドにある有名な国々の魔法史の歴史に関してだった。

(私のつたない知識で太刀打ちできるかな)



採点を終えると、ジェイド先輩は感心したような表情で顎に手を添えた。


「……さすがに度肝を抜かれました。

貴女には毎回驚かされる」

「よかった!…満点ですか!?」

「逆です」

(わっ……)

耳たぶを指でピンと弾かれ、とっさに手のひらで耳を隠す。

「貴女の耳と目は飾りですか?

本当に……。よくこれまで生きて来れましたね。

世界的に有名な妖精ゴットマザーの
魔法の呪文が『ちちんぷいぷい』とは…。

あまりに斬新すぎて涙が出そうです…」


「む、無回答よりいいかと思って!

ほとんどの問題が解けなかったので、

せめてやる気だけでも見せようかと…」


「なるほどなるほど。

なかなかに鍛えがいのある、おつむですね」

(……っ)

あやすように頭をひと撫でされ、

反抗心がむくむくと湧いてくる。


「子ども扱いしないでください!

ちゃんと勉強すれば世界情勢くらい理解できます!」


「…言いましたね?」


(あっ……これは、ヤバイ奴)


見事、言動を取られた瞬間だった。





(頭がパンクしそう……)

数時間後、集中力を使い果たした私は
机につっぷしていた。


「ユウさん、まだ講義は終わっていませんよ」


「情報量が多すぎます…。

明日のテスト範囲外も含めて、
魔法元年からの一気に覚えろだなんて」


「まだ前置きの段階で、

泣き言を言われてはお話になりません」


(ぶっつづけで講義して、

まだ前置きなの…!?)


普段ニコニコと優しそう
なんて思った自分が馬鹿だった。

ジェイド先輩のスパルタ講義に

早くも音を上げそうだ。


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