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【ツイステ】監督生はプリンセス(長編)

第11章 Prey (観察対象は監督生さん)



「そうですね。小柄な彼女にもよく似合ってます。

制服は決まったことですし、あとはPRを大々的に…」

アズールはボロ雑巾のように見た目に頓着しない当初の彼女を知っているので(ずいぶんと変わりましたね)と内心、ユウのことを賞賛していた。


担任のクルーウェル先生とヴィルが、彼女の手入れをしていることは重々承知していたが、実際に目にするとダイヤモンドのようにタダの石ころが日に日に研磨され、美しくなっていく姿を肌で感じる。


自分も常日頃から見た目を気にしている分、

努力しようとあがいている人間は嫌いじゃないのだ。

だが、次の瞬間には
彼女の美しさと学園唯一の女性という立場をより上手く利用し、どうモストロの収益に繋げてやろうかと考えていた。


今にも札束を数えそうなアズールと、

ユウと楽しく踊っているフロイドを置いて

ジェイドのみ席を外した。




まもなくモストロ・ラウンジ開店の時刻である。

スタッフが今日も慌ただしく動いている中で、


ただ一人。
ジェイドはゆったりと
執事のように高級茶葉をブレンドしていた。



彼女をうまく自分たちの領域(モストロ・ラウンジ)に誘い込むことが出来た。

プラスαで可愛らしい制服姿を見れたことで
さらに大満足である。

これで自分が管理する下で、

よりユウと時間の共有を出来る。

計画通りに進むことに胸が高鳴り、
彼にしては珍しく少し単価が高い茶葉を選んだ。


「ジェイド先輩~?どこですか?」


聴覚・嗅覚ともに人間の数倍優れているウツボの自分には

すぐに彼女の声だと分かった。



ゆっくりとカップの準備をして、

彼女が部屋に入ってくるのを待ち構える。


紅茶を作る為に使っていた砂時計が全て落ちた。


ちょうどいい時間だ。


「ユウさん。

今日は色々とお疲れでしょう…。

紅茶でも一杯いかがですか?」



やっと貴女と二人きりになれますね…。


咬魚がその微笑に牙を隠しながら、

迷う少女を部屋に招きいれた。


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