第11章 Prey (観察対象は監督生さん)
「……オレ、天才じゃね?」
「フロイド……良くやりました」
「ちょっ”待てお前ら!あんなに短いスカートで働かせたら、さすがにラウンジの品位が疑われます!」
後ろを見ていたユウは気づかなかったが、
人魚三人は彼女の生足を熱が出るほどガン見していた。
そう、人間の雌の生足は
人魚の雄のロマンなのだ……。
男の夢を叶える魔法の制服に、
リーチ兄弟は満面の笑みで10点満点の札を出す。
それを見て「僕のラウンジが18禁になってしまう!」と危惧したアズールが魔法ですぐさま足元まで隠れる丈に変えた。
「ああ゛ー!アズールのむっつりスケベ!」
「ダメです!絶対ダメ!!
嫁入り前の淑女になんて恰好させてるんですか!」
「そんなこと言って、自分が一番
小エビちゃんの生足見てたくせにぃ~」
「ハアー!?言いがかりはやめてください。
僕は元々足フェチなんです!」
「二人とも、落ち着きなさい。
ここは間をとって
こちらでどうでしょうか?」
ジェイドがマジカルペンを振るう。
ポンッと再び、ユウに魔法がかかった。
するとスカート部分がフレアから少し長さが加わったマーメイドタイプに変形した。
お尻や太ももはタイトなシルエットが
美しい曲線美を強調する。
身体に沿ったシルエットは彼女のひざ丈で、パッと人魚の尾ひれのように裾が開いた。
雪のような真っ白な足は40デニールの黒タイツで飾られ
女性らしい魅惑的なシルエットでありながら、
上品なドレスアップだ。
アズールとフロイド両方の意見が
上手く組み込まれている。
「わあっ!可愛い!」
これにはユウも大興奮した。
なんたって女性服は嗜好品に分類され、普段制服で済ませる分、オシャレなんて無縁の生活だったからだ。
「さっすがジェイド~
イイ感じじゃんっ。
小エビちゃん、かわいい♡」
フロイドが楽しそうに
小エビの周りをウロチョロして、
最後には小エビの手を取ってクルクルとダンスし始めた。
オシャレして褒められたのは久しぶりだったユウは顔のいい先輩に褒められて、えへえへと少し恥ずかしそうに笑った。