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【ツイステ】監督生はプリンセス(長編)

第8章 Nasty mermaid(意地悪な人魚)



「よ…よろしく、お願いします」

「ええ。貴女となら

それはそれは楽しい時間になるでしょう。

…色々とね」

(嫌な予感しかしない…!)

後悔先に立たずーこのことわざを、ユウはあとから噛みしめることになる。




フンフンとまるで鼻歌でも歌い始めそうなジェイド先輩は、とてもご機嫌だ。

対して、その細長い腕に引きずられるに繋がれた私は、正直生きた心地がしなかった。

相棒の親分は、目を覚ますや否や
飛び起きてどこかに逃げていった。

魚の人睨みに負けるネコチャン。
くうう…裏切者め。


(神様仏様、どうか生きて帰れますように…)


「ユウさん、


祈りなど無意味だと、

先日教えて差し上げましたよね?」


(っ、また考えを見抜かれた。

やっぱりこの人、ちょっと怖い……)


「取って食いはしないとも
言ったはずですが。

僕とペアになったからと言って、

怖がる必要なんてないんですよ」


(何から何までバレバレだ…!)


「私の考えを読むのは、

やめてもらえますか…?」



「ユウさんこそ、考えをそのまま
顔に出すのをやめてはいかがです?」


(そんなに顔に出てるかな…?
ううん、ジェイド先輩の観察眼が
異様に鋭いんだ…)

ジェイド先輩は私に語りかけながら、最短ルートで材料の確保をする動きに余念がない。

薬草を扱う長い指先の動きは優雅で、色気さえ漂っている。


(まるで宝物を手入れしてるみたい…)


穴が開くほど見つめても、この人が何を考えているのかは読み取れそうになかった。


「それにしても意外でした。

貴女がフロイドではなく、僕を選ぶなんて…」


「普段の実践魔法が使えない分、授業の単位は私が担当なんです。だから、どうしても落とすわけにはいかなくて…。ジェイド先輩だったら安心ですし…」


「ほう。安心ですか…」


「だって…。

フロイド先輩のように気分で
授業をサボったりしないでしょう?」


「と、思うでしょう…?」

「不穏な切り返しはやめてくださいっ!」


「ふふっ。からかいすぎましたね。


植物園で採取が難しい材料は

こちらで用意しておりますので、
安心して頂いて結構ですよ」


「えっ!?本当ですか」

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