第6章 Rose prince (薔薇の王子様)
すると……
ぐぅ~~~~~。
なんとも情けない音が薔薇の庭園に響いた。
シリアスな雰囲気が全く似合わない。
やはり彼はグリムだった。
リドルと顔を見合わせて「ぷっ」と
どちらともなく噴き出して笑った。
「お腹が空いたのかい?
それならお茶の時間にしよう。
トレイが明日のパーティー用に
作ったタルトがいくつかあるはずだ」
「やっふうー!」と喜ぶグリムの腹を「こら」とさらに絞めた。
「いいんですか?…明日のパーティー用なのに」
「ハートの女王の法律・第89条、『女王の許可なくタルトを先に食べてはならない』に当てはまるけど、
キミなら…、
いや、キミ達なら特別に許可しよう。
…今回だけだよ」
「なんたってボクは”優しい人”…だからね」とニヤリと笑うリドル先輩は、それはそれはカッコよかった。
嬉しくなって「「やったぁー!!」」と
グリムとハイタッチ。
その後、トレイ先輩と一緒にいたケイト先輩に「どうせなら、可愛くお着替えしよっか♪」と言われて、魔法でアっという間にフリフリな可愛らしい青いワンピースの服に着替えさせられた。
ハッシュタグ『可愛いは正義』
『ハーツラビュル寮』
『てか、もう寮生♡♦』で投函っと。
無事に全寮長・副寮から
「明日の朝日は拝めないと思え」「ユウは可愛いけど、ハーツラビュルは可愛くない」「リア充爆発シロ」と炎上しました。
もれなくエーデュースにも
タルトを食べてるのがバレて、
エースが拗ねたのは言うまでもない。