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【ツイステ】監督生はプリンセス(長編)

第6章 Rose prince (薔薇の王子様)



いつもは柔和に優しいユウだが、
グリムが絡むと母性本能なのか…
どこかお姉さん気質になってしまう。


「じゃあ、パパッと終わらせちゃおうっ!」


エースの真似して笑うユウが可愛くて
モヤモヤはあっという間に甘い角砂糖に変わった。


「しょーがねーなー」

「よっしゃあ!行くぞ!」





その後、三人と一匹で薔薇を真っ赤に色塗り、白いクロスと赤いハートの椅子があるパーティ会場の準備を手伝った。十分過ぎるほどフォトジェニックな仕上がりだと思う。

マジカメ映え、間違いなし(監督生調べ)。



「これで、なんとか明日の『なんでもない日のパーティ』に間に合いそうだ。手伝ってくれてありがとう。ユウ、グリム」


「どういたしまして」

「………オレ様まだ許してねぇんだゾ」



「そんなこと言っちゃいけません」


「仲良くね!」と言ってグリムを抱き上げ、
ユウがデュースの横にくっついた。

ふわっと、太陽の光のたくさん吸い込んだ
マグノリアの花の香りがする。


真っ白で大輪の蕾を咲かせる花は、夜の闇が吸いつくような美しい漆黒の髪を持つ彼女に…とても似合うだろう。


デュースが脳内でそんな想像していると、思いのほか意中の彼女との距離の近さに気づき、顔が一瞬で火照り上げった。


ドキドキと心臓が体を殴り続ける音が聞こえる。


「……ユウっ」





「あ゛ッッ!!!!!」



突如叫んだエースのおかげで
この情けない顔をユウにさらさずに済んだ。

……と思う。たぶん。



「ハリネズミの世話忘れてたッ!」




急いでハリネズミたちがいる小屋に向かうと、そこには赤の支配者ー寮長のリドル・ローズハートがいた。

リドルの腕にちょこんっと抱かれたハリネズミは、お腹を膨らませて満足そうだった。



「げっ!寮長……」



一足遅かった…と肩を落とすエース。

優しい手つきで小屋にハリネズミを戻すと、
リドルのピンヒールはまっすぐにコチラへ向いた。


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