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【ツイステ】監督生はプリンセス(長編)

第5章 No(契約なんて致しません!)



ユウさんは、本当に純粋無垢でいらっしゃる。

あれほど無防備に他人に心を許すとは…。



目をつむり、本来敵であるはずの

ヘンリーに対しても

情けをかけようとしていた顔を反芻する。



「……この世界は、


彼女にとって


……ざぞや生きにくいことでしょうね」




警戒心がない弱者は、

あっという間に強者の餌食になる。


ーそれが自然の理だ。

だが、彼女は弱者の立場でありながら
心から他人を思いやり…敵にも情けをかける。


そして、強者であるアズールの企みや
レオナの企みも
ひっくり返してきた。



今回の勝負も…。

デュースには確かに呪いがかかっていた。

だが友人達を団結させ、主犯を突き止めたり雷魔法で妨害したり、風魔法で空気抵抗を軽くするよう指示していたのは、ほかでもないユウだ。



魔法が使えない女子というだけで、
この学園で一番の弱者であるのも関らず、


問題児ばかりの生徒を団結させる…。

まさに猛獣使いのようだ。





ー嗚呼、本当に面白い。




毎回、僕の予想を超えてくる彼女に

興味が尽きない。


予想外のことが起こるのは、大歓迎だ。


フロイドがリドルを見ると反応するように、


ジェイドにはユウが


今最も、気になる存在だった。







「……イドっ、ジェイド!

……全く。聞こえていませんね、これは」

「ハァー」とため息をつくアズール。

お前がポンコツになると、
誰がこのイソギンチャクを
ラウンジまで連れて行くんだ。



「まーた黙ったままニコニコしてる。

意味わかんね…。

小エビちゃんも、こんな物騒な奴に執着されて

カワイソウ~。

気が向いたら、オレが守ってあげよ~っと」


その発言に、ギョッとする。



幼少期からリーチ兄弟を知っているが、

今日の二人は、今までの彼らからは
考えられないような言動しか取らない。



あの、フロイド(論外代表)が

見返りもなく守ろうだなんて……


まあ、アズールもユウのことは

それなりに気に入っていたし、

可愛い後輩が困っているなら
少しくらい…助けてやってもいい。

「ハァー」と再びため息をついて、

使い物にならなくなったポンコツ双子を置き、

ステッキを鳴らした。





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