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【ツイステ】監督生はプリンセス(長編)

第4章 True friend(マブダチといつもの日常)




「はぁ…っ…は、ぁ…僕の、僕の勝ちだっ!」

いい気味だ。

自分の力を過信したスペードを追い抜かした瞬間
胸がスッとした。


天候を大雨に変えるのは、意外と簡単だった。
この時ほど、自分がオクタヴィネル寮でよかったと思ったことはない。寮長のアズールと取引をして、僕は新しい力を手に入れたのだ。


同じように選抜から落ちた同級生に、成功したら報酬をくれてやると金で釣り、ゴールまで距離が半分になったら、先頭を走る人物に呪いをかけろと命令した。

案の定スペードの足は止まり、
力を温存していた僕がこのままゴールして幕だ。


スペード。お前に恨みはないが、
僕の成功への道を邪魔したんだ。
…しょうがないよな?


ああ。でも一つだけムカつく事があった。
学園唯一の女子生徒である監督生に、まるで正義のヒーローずらして、かっこつけてる所だよ。


この勝負が終わったら、泣きつくお前の顔見ながら勝者であるこの僕が……彼女の隣に立ったらさぞ見ものだと思わないか?



そう、弱者をいたぶる事を楽しそうに思案して

勝利を確信している男の足元に

次の瞬間、閃光が落ちた。





ピシャッ!!

目が光で一瞬モノクロになる。次の瞬間、耳をつんざくような雷鳴が轟き、自分の足元に強大な雷が落ちたと分かった。



「なっ!……なんだこれはっ!」



あと一歩でも踏み出していたら、直撃だった。


恐怖で腰が抜ける。



大雨は相変わらず弾丸のように身を打ち、雷も相まって嵐のような天候だった。




先頭を走っていた男の前に、雷が落ちた瞬間をデュースは目撃していたが、足は止めなかった。


そこに、この場にはそぐわない

鈴を転がすような声が響いた。


「あきらめるなッーーー!!!」


足は止まらない。


しかし、声がした方向を勢いよく見る。




そこには、



必死に声を上げるユウの姿があった。





「デュースーー!!負けないでー!!」



(ああ……聞こえてる。)




「あとちょっとだよ!がんばれー!!」



(ちゃんと聞こえてるぞ。ユウ)



雨やら雷やら男どもの野太い声が耳を塞ぐ。


だが、どんなにうるさくったって


彼女の声は


ちゃんとデュースに届いていた。



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