第4章 True friend(マブダチといつもの日常)
…ユウは、すごい奴だ。
魔法も使えないのに、ひねくれもせず
人よりも真面目に勉強して…
決して他人を見下さない。
お前を見てると、
昔の俺は本当に…心底、ダサかったと思うよ。
憧れのナイトイレブンカレッジに入学できて、
生まれ変わって優等生になろうと頑張ってきたが…
成績も伸びないし、物覚えだって相変わらず悪いままだ。
なのに、ユウは僕を
一回も馬鹿にしてきた事なんてない。
馬鹿にするどころか、
一緒に勉強に付き合ってくれたり
落ち込んでいると、
「これしかできなくて、ごめんね」と控えめに笑い
僕の好きな卵料理を並べて、夕食を作ってくれた。
「優等生だって怒る時はあるよ!」と認めてくれた。
その言葉に、
昔の俺は救われたような気がしたんだ。
きっと、それは僕だけじゃない………。
エースもジャックもエペルも、セベクも。
先輩方だって皆。
本来仲良くなるはずのないメンバーを
お前が絆となって、
結び付けている気がするんだ。
………最近よく思うんだ。
僕が救われたみたいに
今度は、
ユウを僕が救ってやりたいんだって。
お前に悲しい思いをしてほしくないんだ。
今は
僕にしかできない方法で、
ユウにできることを返したい。
だから、
見ていてくれ…俺を……僕を。
デュースは足が引きちぎられるような痛みも気にせず、走った。
その瞬間、目の前から
光の閃光が地面を揺らした。