第17章 Broken(抜け駆けナシ・恋愛協定は破られた)上
「『ユウさんは、僕達とずっと一緒に暮らすんだから、邪魔しないでビーーームッ!!』」
ドカーーンッ!!!
「マジかよ!あいつホントに撃って来やがったぞ!」
「うええッ?!オルト君落ち着いて!
ストップ、ストップー!」
「”ターゲット捕捉しました。攻撃態勢に入ります”」
「なんか最終兵器みたいになってるーー?!」
ドカン、ドカン!と容赦なく破壊音が校内に炸裂した。もし学園長が居たら絶叫モノだろう。突如鳴り響く大きな騒音に、ようやく護衛をしていたチーム・スクラムも異変に気付き駆け寄ってきたが、レオナのおかげでユウは無事逃げ切った。騒ぎを聞き飛んできたトレイン先生によってオルトの暴走は止まるところとなる。
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「はぁーッ。毎度毎度懲りずに、よくまぁ。
面倒ごとに巻き込まれる才能でもあんのか、お前は」
「そ、それほどでも…」
「褒めてねぇんだよ。…たくっ。」
レオナ先輩の縄張りである植物園に逃げおおせる。
なんだかんだ文句を言いながらも、ユウを抱えて此処まで走ってくれた。マジフト部で鍛えた筋力は流石と言うべきか、息ひとつ乱れていなかった。