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【ツイステ】監督生はプリンセス(長編)

第17章 Broken(抜け駆けナシ・恋愛協定は破られた)上



いつも小馬鹿にされるし!スパルタだし、スパルタだけど…!



でも、



約束は必ず守ってくれた。



いつの日か弱っている彼の姿が脳内に張り付いて、心の針が信用という名の天秤に傾く。


「分かりました。

…無理難題の対価じゃなければ、
施して頂いた分をお返しします」


「ッ…。…光栄です。

では、改めて。
これからはぜひバディとして、宜しくお願いします。ユウさん」

ニコッという効果音付きで差し出された大きな手。バディという発言が。まるでこの男と対等の立場に立てたような、認められたように感じて、嬉しかった。今までの耐え忍んできた努力が報われたような解放感だった。


だが、それも次の一言で黙殺される。



「ではさっそく『対価』を頂けますか?」

「え?」



「僕に『親愛』をください」



その鷹のような鋭い金の瞳に、背筋がゾクリと震えた。


ー『人の子には僕から友として、親愛を贈ろう』



思い出すのは、マレウスとの会話。

ジェイド先輩が知ってるわけもないのに、
なぜ急に親愛なんて…。


「お、脅されてあげるものでもないですし…。

他のものじゃダメですか?

えっと、異世界のレシピとか…珍しい話とか」



「誤魔化さないで、僕を見て」



一刀両断。
拘束する力なんてないはずなのに、身体が勝手に従ってしまう。いざなわれるように視線が噛み合った瞬間、まるで逃がさないと言わんばかりにジェイドがユウの小さな肩を鷲掴んだ。

「ぁッ…」

「これでも後輩の中では、一等ユウさんに目をかけて、多忙な中僕なりに時間を割いてきたつもりです。

そんな僕でも、


情の一つも感じませんか…?」

真剣な瞳がどこか物悲しそうに揺れる。
ユウには、目の前の男が嘘なのか本音なのか分からなかった。しかし、無言でいれば掴まれた両肩に力が込められ、あるはずのない人魚の爪が肉に刺さりそうだ。


ユウは観念した。


「ジェイド先輩のことは、…頼れる先輩だっていつも尊敬してます。

私には勿体ないくらい優秀な先生ですし…、

なんでも卒なくこなす姿がカッコイイって思ってます。


意地悪なところが玉に傷ですケド…

最近は会えなくて…
ちょっと寂しかったです…」


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