• テキストサイズ

【ツイステ】監督生はプリンセス(長編)

第16章 Hecate's tears(ヘカテーの涙)




小さい羽根をばたつかせて飛んでいってしまう。クスクスと鳴く可愛い生物も、ついてこい!と言わんばかりにユウを見ている。

あわてて追いかけると、霧が晴れたように青い空間が目の前いっぱいに広がった。

妖精の後を追いかけて辿り着いたのは、まさしく泉そのものだった。音が消えた世界のように神秘的な空間で、碧い海面が輝る。

(オンボロ寮の周辺にこんな場所があったなんて…)

「求める者の前に現れる『真実の泉』。
その泉はどんな疑問にも、噓偽りのない真実を教えてくれる。世界の秘密も、隠された財宝の在処も、滅びた国の歴史さえも。

賢者・ソロモンが生み出した、
世界に三つしかない魔法道具の一つダ。

さあ、オンボロ寮のプリンセス。
何でもいい。知りたい事を尋ねてごらん」


導かれるように、ユウは座り込む。
覗き込んだ碧色の海面は、一点の穢れもない純粋な一色だった。

泉に写ったのは、自分の顔。
髪は水に濡れ、疲れ果てた表情はそれはそれはヒドイ顔だった。

一滴。
波紋が小さい和を作り、波となって水面を揺らす。
覗き込んで写っていた自分の顔がいつの間にか、老婆のような顔に変わっていた。それは闇の鏡に写る男の仮面に似ていて、さながら兄弟…いや、祖母?のようだ。


「あの……。私はユウ。

オンボロ寮まで帰りたいの。

道を教えてください」



/ 209ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp