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【ツイステ】監督生はプリンセス(長編)

第14章 Crimson apple(真っ赤な林檎はいかが?)



「……元気出すんだゾ」

「うん……」

サリサリとグリムが舐めてくれる舌がくすぐったい。
ベットに身を投げたままのユウを心配してゴースト達も、柱の陰から視線を送る。

その時、ピコンと間抜けな音が鳴り響いた。

音の出所は学園長からもらった携帯からだった。


誰だろう…?

数少ない人しか登録してないんだけど。



メールの宛先を見ると、思わず飛び起きた!


”ヴィル・シェーンハイト”


恐れ多くもユウの数少ない連絡先には、世界的スーパーモデルのアドレスがあるのだ。



「ヴィル先輩からだ!」

「ゲッ…VDCも終わったのに何の用なんだゾ」


”How is it going today ユウ?”
(調子はどう?)

ポチポチと返信を打っていると、
コンマ数秒で続くようにメールが来た。


「キャっー!!」


「!!な、なんだゾッ?!」


”Would you like to go to dinner?”
(一緒に夕食はいかが?)


「夕食、一緒にいかがだってー!」

画面をグリムに押し付けるように見せる。
寂しかった心が、花が咲いたように嬉しかった。


”I’d love to!”
(ぜひ!ご一緒したいです)


「そういえば、

アズール先輩からもらったモストロ・ラウンジの割引券、未だに使ってないんだよね…」


「モストロっ…?!どうせだったら、
もっと高くて美味しい店に連れてってもらおうぜー!」


ごはんに釣られたグリムがいつの間にか、一緒になって喜んでいる。パブロフの犬のように涎が出ているのは飼い主として頂けない。ネコちゃんなのに。


舞い上がって
モストロ・ラウンジの割引券について、
あのヴィル先輩にメールを送ってしまった。


グリムに言われて気がついたが、学生の傍らモデルや俳優業で稼いでいる彼に話す内容としては貧乏臭かったかしらと…と不安になる。


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