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【ツイステ】監督生はプリンセス(長編)

第12章 Master(先生はジェイド先輩)



そんな片割れの妄言を聞いていると、「ユウさん。僕のことは…?」とどこかソワソワと体を動かしてしまうようになった。

なので、出来るだけ彼女と接点を持ちたいジェイドは権力を使って、よくホールの仕事も手伝うようにさせた。

しかし、ひとたび彼女がホールに出ると
絡まれて、絡まれてしょうがない。

普段御付きのトランプ兵や毛玉がいないことをチャンスと、不良少年たちが名乗りを上げるのであった。


「お嬢さん、落とし物ですよ」

「え?」

「僕との出会い落としましたよ」


「あっ、私のじゃないです」


しかし、彼女はかわすのも上手かった。


ここは自分の出番だと、悪役なのに正義のヒーロー面して登場しようとしたジェイドの足ももつれる。

イチャモンをつけるクレーマーにも…

「おいコラ!お客様は神様じゃねーのか?!」


「ほかの神様のご迷惑になりますので…」


「おい、俺ら神様だって!ヤッタ!」と第三者のモブがパシンっと興奮気味に肩を叩く。


天然なのか頭が弱いのか……。


彼女は見事、そういった客も捌ききった。



そんな日々を繰り返す内に…


「う、ウソ…!信じられないっ!」


テスト用紙を握りしめる腕がワナワナと震える。

グリムも同じようにワナワナと身を震わせ、
叫ばない様に口を前足で押さえている。

様子がおかしい二人に、

マブ二人は「?」でテスト用紙を覗きこんだ。



「「え。え…、えっー100点満点?!!」」



その点数にマブ二人も驚愕する。


肝心のユウはまるで戦場に
出向くように覚悟を決めた顔で、前を向いた。


「私…。


ジェイド先輩のとこ行ってくる!!」


そう言って飛び出して言った。



過ぎ去った彼女の背を見送って
男二人はお互いの肩を突き飛ばし始めた。

「デュースお前…何点」

「エースこそ…」

「平均点70点くらいらしいじゃん~。
で、お前は?」

「そ、そうなのか。
僕は今回調子いいぞ。ユウ程じゃないが…」

「…てか、あいつに負けるの凹むわ」

「ああ…。僕達もジェイド先輩に教えてもらうか」

「絶対無理っしょ。その前に死ぬな」

「ああ死ぬ」

「……オレ様にも教えてほしんだゾ」


ぴゅーっと雄三匹の背中に悲しい風が吹いた。



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